こんにちは。
3月に入り、すっかり春めいてほっと暖かさを感じると思ったら
また寒さがやってくる、まさに三寒四温の今日この頃。
皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
先月開催していた2022SS展示会では、
ご来場いただいたお客様、オンラインでご覧いただいたお客様、
新しいアイテムをオーダーいただき本当にありがとうございました!
明るく今っぽいムードをまとったメタリックな質感のアイテムや
クリアな透明感やニュアンスカラーを楽しめるクリスタルガラスのイヤリング。
シルバー925素材のネックレスやブレスレットなど
春の明るく軽やかなムードにぴったりなアイテムが勢ぞろい◎
何か自分にも1つ、いや2つ、、?
季節の変わり目、やっぱり新しいアクセサリーが欲しくなるなぁ、、と思いつつ検討中です。
Oucaをお取り扱いいただいているSHOPさまには、
今月中旬以降より新作をお届け予定です。
Ouca WEBSHOPでは、4月より順次展開を予定していますので、
もう少々お待ちくださいね。
また、Ouca WEBSHOPで開催中の
『セレモニーフェア/パールブレスレットプレゼントキャンペーン』は
次の日曜日、3/13までとなっております!
卒入式などの晴れやかなシーンにそっと華やぎを添えてくれたり
様々な『始まり』のまっさらな気分にも最適なアイテムが揃っていますので、
ぜひご覧になってみてくださいね◎
効明泉の思い出
効明泉【こうめいせん】は、祐天寺にある銭湯。
大きな木が生い茂るゆったりとした敷地に銭湯の煙突がすっと空に伸び、
その一帯はまるでタイムスリップしたかのような、懐かしさが漂うのどかな昭和の雰囲気。
1月、前を通りかかると、入り口に張り紙がありました。
建物の老朽化のため、80余年続いた営業を12月31日に終了しました、とのこと、、、
えー、本当に、、!?と思わず声が出てしまいました。
いつも変わらずにあった効明泉。
どっしりとした建物とのんびりとしたムードに包まれたあの場所が無くなってしまうなんて、、と
なんとも言えない喪失感でいっぱいになりました。
今まで、わたしも度々通わせてもらいました。
木の札が鍵になった下駄箱に靴を入れ中に入ると
つやつやで味わいのある木肌にかこまれたフロントには、黒い革張りのソファーにテレビ。
もちろん牛乳も売っていました!
天井が高く、広々とした開放感が感じられる屋内。
脱衣所や浴場や設備は経年の古さはあるもののとてもきれいに保たれていて
ほっとするようなアットホームな雰囲気に包まれていました。
脱衣所には、なんとお釜型のドライヤーも!
体重計も、台に乗るとはかりの針がぐるんと回る昔ながらのタイプでした。
周囲の方にご迷惑にならない年齢になった息子と一緒に
あまり混み合わない時間帯にお邪魔していましたが
何度か通うと常連さんともご挨拶が出来るようになりました。
今日銭湯に行く?と話したときの満面の笑顔。
あぁ、懐かしい、、、
家からすぐ近くの場所なのに、遠く離れたところに旅行に行ったかのような
ほっとくつろげる束の間のひと時。
ほんの僅かな時間でも、手足をぐんと伸ばして広い浴槽の中で肩までお湯につかると
体も心もじんわりと温まり、新しい力が漲るようでした。
少し熱めのお湯がなみなみに満ちた
レトロな色合いのタイルが敷き詰められた広い浴槽。
壁にある大きなタイル画は、
富士山、、、ではなく、西ヨーロッパの最高峰、フランスのモンブランを望む
麓に広がるスキーリゾート地シャモニー=モンブラン!
穏やかな夕焼けのひと時を切り取った、ピンクベースの優しい色合い。
ちなみに男湯は青い空と湖に映える、スイスのマッターホルンだそう。
実物はみたことがありませんが、
画像を見ると爽やかな青空に雪山のコントラストがとても清々しく力強くて
眺めるだけで元気をもらえそうでした。
80歳を超えるご主人が若いころより国内外での登山が趣味で、
昭和42年に「山小屋風にしよう!」と
外観からタイル画まで大掛かりなリニューアル工事をしたそうです。
効明泉の記事はこちら
効明泉(目黒区|祐天寺駅) 祐天寺にある「山小屋」仕様の銭湯は、地域社会のオアシスだった
今回、その記事を目にして『なるほど~!』と、とても納得したのですが、
入り口近くやフロントの壁に見られる木の筋交いのような施しや、
小さな三角屋根や入り口のランプ風の照明など
どことなくヨーロッパの山間の建物にあるような可愛らしさがあるのです。
そして一つひとつ小さなタイルで色鮮やかに作り上げた
雄大なシャモニーとマッターホルンの壁画からも
ご主人の大好きな登山への情熱や山への愛情が存分に込められているのだな~と
しみじみと感じたのでした。
効明泉のもう一つの魅力
効明泉の魅力はもう一つ。
それは周囲に集まる数匹の地域猫たち!
最年長のクロちゃんを始め、わたしが知っているのは4匹の猫。
地域の方が猫たちの食事や体のお手入れ、そして避妊手術までをしっかりとサポートされていて
いつも効明泉の敷地や周囲のお宅の軒先などで、何匹かの猫がくつろいでいたのでした。
先程の記事にもありましたが、銭湯の配管設備の温かさにつられて集まってくるそう。
同じ敷地にあるコインランドリーの排気口にも、よく集まっていました!
それぞれの猫たちにはちゃんとした名前が付けられていましたが、
当時小さかった息子はそれぞれの毛色で独自の呼び名を付けて、
『今日はいるかな~?』と、毎日に近いくらい見に行っていました。
家にはとっても可愛いモンちゃんがいるけど、猫の存在感はまた別もの。
それはわたしも同じで、息子が一緒でない時も効明泉の前を通る時は
猫たちの姿を探し写真に収めては『今日もいたよ~!』と息子に報告していました。
一昨年引っ越しをして、わたしはOucaへの出勤途中に効明泉の前を通ることが出来ますが、
息子は時々、買い物や美容室、モンちゃんの通院で近くに来ることがあるくらい。
それでも猫たちへの気持ちは変わらず、再会できた時はとっても嬉しそうでした。
効明泉が無くなってしまったら猫たちはどうなるのだろう、、
とくに高齢のクロちゃんは、、と気になっていたのですが、
こんな張り紙もありました。
良かった、、、!!
営業終了の張り紙を見て以降、
猫たちの姿を見かけることがなかったので心配していたのですが
(営業終了になってしまい、配管の暖かさを感じられないのもあったのかな、、と思います)
ここ最近の暖かさもあるからか、久しぶりに姿を見ることが出来ました。
一番小さな子。ちゃいろちゃんと呼んでいました。
とても人懐っこく、近くにいくとニャーンと鳴いて寄って来てくれます。
奥にはしろちゃんもいました。
(背中に白い模様があるのでそう呼んでいました。)
しろちゃんは、のんびりマイペース。
いつもゆったりとしていて、見かけると幸せな気分になれました。
付近一帯が再開発となるようで、効明泉の建物の解体も少しずつ始まりました。
80余年もの間、ずっとそこにあった建物や煙突が姿を消してしまいます。
時の流れは様々な成長を感じさせてくれたり、素晴らしい実りにつながりますが
その一方では歳をとっていったり、廃れて古くなっていったり、、、
無情で切ないものですね。
でもその分、大切な記憶や思い出は、色鮮やかに残るものだとも思います。
浴場のシャモニーの優しく雄大なタイル画や、
木のぬくもりが詰まったフロントの雰囲気。
今日は何番にする?というのも楽しみだったレトロな下駄箱やロッカー。
轟音&強風にびっくりして大笑いしたお釜型のドライヤー。
陽射しと日陰のコントラストが懐かしさを誘う、木立に囲まれた敷地。
くつろぐ猫たちと幼い息子の姿。
なんだかしんみりと切なくなってしまいますが、
時々写真を見たり思い出話をしたりして
あの銭湯に行ってた頃、楽しかったよね~!と思い返していけたらいいなと思います。
穏やかで素敵なひと時を過ごせた効明泉に、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
3月はお別れと始まりの季節。
人だけでなく、場所やものともお別れや新しい始まりが待っています。
これからまたどんな物語が始まっていくかは分かりませんが、
今までの思い出は大切にしつつ、新しい世界へもエイッと飛び込んでいけたらいいですね◎
2月の半ばに行った近くの公園にある河津桜。
曇り空で雨も降った寒い日でしたが、すでに幾つかつぼみがほころんでいました。
きっとここ最近の暖かさで、すっかり花が開いているのだろうな~と想像します。
木々が芽吹き色鮮やかな花々に彩られる、春の本番はもうすぐ!
どなたにとっても明るく希望に満ちた春になりますように。
2022.3.10 suzuki
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