しっとりと、かつ鮮やかに秋の訪れを告げる
―彼岸花― を目にする季節となりましたね。
このヒガンバナを撮った場所には、つい最近まで向日葵が咲いていました。
まっすぐで、高くて、のびやかで
細い茎の先に大胆に上向くその大輪は
ヒマワリにしてはかなり小顔の品種のようでしたが、エネルギッシュで
その存在を毎日感じていたように思い返します。
このところ茶色くなって、首を下げているのを寂しく思っていましたが
こんな風に次々と自然は移ろい
季節の変化を楽しませてくれますね。
当たり前のことをしみじみと感じながら、いつもの朝夕の道を歩んでいます。
色鮮やかな花と言えばもう一つ。
「ねーねー、サクラが咲いているよー」
と声をかけられて見上げたその先、建物の二階ほどの辺りに
確かに、ピンクの小さいお花がよせ集まって、ふわふわしているのが見えました。
このあたりは春にピンクの桜で染まる場所。
ほんとうにサクラ?と一瞬戸惑って、確かめるように眺め
そしてたどった木の幹に掲げられた札を見ると
「サルスベリ」とカタカナで書かれた文字。
あぁ、あの! 今までサルスベリといえば、木の幹の質感にしか注目していなくて
お花のことなんて意識していなかったな、と思いました。
こんなにも優しい柔らかなお花を咲かせるんですね。
本当に秋のサクラのよう。
「サルスベリ」は漢字で色々な表現がありますが
代表的なものだと ―百日紅― (ひゃくにちこう)と書かれるそうです。
初夏から秋までの長い間、鮮やかな紅色やピンクや白などのお花を咲かせる花木です。
100日くらいずっと花を咲かせることが名前の由来とか。
かわいらしいお花が長く楽しめるっていいですね。
そしてこちらは初夏の頃、公園で手毬状に咲いていたお花。
ピンク、オレンジ、黄色、赤など、実にカラフルで個性豊か。
どの色の組み合わせもかわいらしくて、気づくと名前も知らないその花を何枚も何枚も撮影していました。
調べてみるとその花は「ランタナ」という名で
和名は ―七変化―(シチヘンゲ)
徐々に花色が変化していくのが特徴だそう。
だから一つとして同じ色がなかったんだなと納得です。
色が変化するお花といえば
―紫陽花―を思い出します。
アジサイは育つ土の酸度によって、お花の色素が反応して色が変わるといわれています。
梅雨時期を象徴する青紫色のグラデーション。
同じ株のお花が、雨のしずくを纏いながら色を変える様子はとても神秘的で素敵ですよね。
同じように色が変化する「ランタナ」ですが趣は異なります。
まるでお菓子のようにカラフルで、多色の小花が集まりふっくらと咲いています。
異国のマーケットに来ているようなにぎやかな色彩。
非日常が飛び込んできたようで、眺めていてとても元気づけられるお花です。
ランタナもサルスベリと同じく夏から秋にかけての長い期間楽しめるそうです。
先週末のお休みに、上野の国立科学博物館の
特別展「植物 地球を支える仲間たち」を見てきました。
展示では世界最大の花、食虫植物、遺伝子組み換えによる青いバラなど
通常目にする機会のない、様々な環境のレアな植物や、植物の化石たちが登場するのですが
その中で強烈な印象を受けたものがありました。
アフリカのナミビアのナミブ砂漠に自生する長生きしすぎる葉
―奇想天外―(キソウテンガイ)という名前の植物です。
なんとも痛快なネーミング!
この植物は1000年以上という、とてつもなく長い寿命を持つそうです。
帯状の葉が2枚横に長くのびていて
それがラッピングのリボンの様にらせん状にカールしながら
横にぐんぐんとのびているような見た目。
樹齢ウン百年の大木…とかではないんです。
生涯2枚の葉しか持たず、先が枯れても砂漠を這うように、葉を伸ばし続けるそう。
葉だけで1000年以上って本当にすごいなとおもってしまいました。
名前は「ウェルウィッチア」とも呼び、和名が-奇想天外―(キソウテンガイ)
今回生きた「奇想天外」の展示を見られたので
なんだかこれは、特別なものを見てしまったぞ。と感激です。
そしてそして、今回子供たちが借りた音声ガイドがすごくよかったです。
音声ガイドには俳優の滝藤賢一さん。
アニメ『鬼滅の刃』で竈門禰豆子役を演じた声優・鬼頭明里さんが登場。
植物好きとしても有名な滝藤さんの声ということで、なんだかしかと聞き入ってしまいましたね。
クイズ形式もあって、難しい内容でも頭に入りやすく助かりました。
1つ借りるのに550円かかりましたが大満足。
国立科学博物館での展示は残念ながら終了してしまいましたが
2022年の年明けから、大阪での開催が決まっているそうです。
公式ページ↓
意外にも奇想天外は、植物園で扱っているところもあるようなので
お近くでもみられるかもしれませんね。
昨日は一年で最も月がきれいに見える日。
お月見をした方もいらっしゃいますでしょうか。
わたしも夕食後の少しの時間ですが空を眺めました。
お団子も、ススキも飾ってはいませんが
綺麗な満月と雲のスピードを感じ、星も見つけ、いつもより虫の声を大きく感じた夜長でした。
上野恩賜公園のイチョウの木は、まだまだこんな感じで青々としていましたが
これからが秋本番。木々の紅葉や落葉がはじまって
ますます秋を身近なところで感じられるようになりそうですね。
またこれからも、気になった出来事や訪れた所のことなど投稿していきたいなと思います~。
2021.09.22 kaneko