少しずつ秋のモードですね。
でもまだまだ日中は、出かけるのがおっくうになるほど暑い日がしょっちゅうです。
そんな日でもゆっくりと過ごしたくなる場所といえば図書館が思いつきます。
昨年お世話になっていた子供の担任の先生とお話ししていた時
ふと図書館の話題になったことがありました。
うちが通っていたのとは別の図書館で興味を持ち行ってみると
そこは緑豊かな公園に併設された大きな施設の一角にあり
テーブルや椅子もたくさん設置されているとてもゆったりとした空間でした。
そこにたどり着くまでのアプローチから帰るまでのずっと
満たされた時間を過ごせた気がします。
子供が使える小さな絵本カートが用意されているので
(スーパーでお買い物するときのカートの小さい版みたいなものです^^)
持って歩きまわるのに苦労する重い本でも
ひょいひょいっと気軽に何冊でも、思い思いカートに入れながら
子供だけでも自由に時間を過ごすことが出来ます。
そんなところも気に入って
近くの図書館に行くよりも3倍くらい時間はかかってしまうのだけれど
よく足を運ぶようになりました。
先生は、
「居心地よくて好きなんですよ。椅子に腰かけたときに大きな窓から差し込む光がいいんですよね。」
「なんだか本が読みたくなる雰囲気で。」
なんて仰っていました。
先生のキャラクターから、そんな風に発せられた言葉が
イメージとのちょっとしたギャップがありました。
意外! でもとてもとても素敵だな。
と、お気に入りを教えていただいたことへの嬉しさがこみあげた、瞬間でした。
女の子のイラストがいっぱいの心理テストや占い、歴史マンガなど
特に長女は最近そういう本に目が行くようなのですが
私も子供も「わ~すごい」と心奪われた本があります。
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『あおのじかん』(Heure Bleue)
作者:イザベル・シムレール(Isabelle Simler)
翻訳:石津ちひろ
出版:岩波書店
初版:2016年(日本語版)
日没から夜の時間
ゆっくりと空の青さは深みを帯びていき。
だんだんと深く濃い青へと移ろいゆく空の下、さまざまな生き物たちが
これから始まる夜に備えます。
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この本は物語がないのですが、ページをめくるごとに
夜の生き物たちが、あっとおどろく姿で現れます。
細やかに描写された美しく印象的な生き物たちは
ながめていると心がおだやかになって
まるで美術館にでも来たような、そんな感覚に陥ってしまうほど。
フランス生まれの絵本作家、イラストレーターでもある
イザベル・シムレールさんの作品です。
そこに登場してくる動物たちは
ドク ドク ...と鳴る心臓の音を隠して
身を潜めているような感じがしました。
世界のどこかに、こんなにもさまざまな「あお」の情景があるんだなと魅了されました。
少し大人びたテイストなんですけど
「この絵本、また借りたい!」 「あの本また借りられる?」
と、子供たちもその美しい絵に心奪われた様子で
3回もリピートして借りたほど。
長女は本を見ながら鉛筆を持って本の中の「鳥 」を真似してしました。
心を動かされると、自然と身体も動くものだな。
と観察するような目でも見てしまいました。
大人がながめても世界に浸れる絵本ですし
絵が描くことが好きな小さな子供さんにもお勧めの本かもしれません。
また本を開くと、表紙の裏に様々な「青」の呼び方が載せられています。
そこを見るのも楽しかったです。
ぐんじょういろ、あいいろ
それからこんなのも
ゆめのいろ、クジャクのはね、あかちゃんのぼうしのいろ
うんどうかいのそらのいろ、たいせつなボタンのいろ、
イザベルシムレールさんの絵本はまだほかにも
色々とあるようで、図書館で現在予約をしているところです。
わたしも子供たちもささやかに楽しみにしていることの一つです。
今日は絵本のお話でした。おしまい。
2021.08.25 kaneko